ともかつの日記

仕事や日常で扱った PIC などのマイコンや Raspberry Pi、パソコンについて書き残していきます。

Fusion PCB で製造する手順 (1) … まずは、PCBE で基板を設計する

調べてみると、安価に基板を製造してくれるサービスがいくつかあるようだけど、何度か使ってみて問題なかった安心感から Fusion PCB を利用している。

わたし自身の Fusion PCB の利用目的が「100×100mm 以下の基板を 10枚製造する」という感じなので、Fusion PCB の価格体系がうまくはまっているのでコスト的に同様の他社と比べ物になりません。 ※そのため、製造する同様の他社のとは価格面で比較してみたものの、他社で実際に製造してはいません。

そんな Fusion PCB が気付けば日本語サイトを開設したようで、これまでの https://www.seeedstudio.com/fusion.html にアクセスしたのと同様の内容が日本語化されている。基本的な英単語が表示されていただけなので、厳密に英文が読めなくても、Google Chrome などの翻訳機能を併用すれば雰囲気で利用できていたのだけど、初めから日本語で表示されているとちょっと安心感が増す。

fusionpcb.jp

新しい日本語サイトになってからはまだ利用していませんが、従来のサイトと同様の方法だと思うので、Fusion PCB の利用法について記録もかねて書き連ねてみます。

Fusion PCB に発注するときに、準備するものは?

基板の製造を発注するときに、何を準備しなければならないか?というと、サイトにアクセスして、実際に発注(見積り)する画面を表示すると書かれているように、zipかrar形式の圧縮ファイルにまとめて4MB以内 というガーバーファイルを用意しなければなりません。

f:id:VEJ00675:20170613055926p:plain

いろんな人が使っている PCBE が便利

わたしは、これまで使ってきていることもあって、Windows 用のフリーソフトウェアプリント基板エディタ PCBE」を利用しています。かなり前から公開されているフリーソフトウェアですが、作者自身がウェブサイトを開設されておらず、Vector でソフトウェアを配布されていますが、PCBE というキーワードで検索すれば、このソフトについて多くの情報が得られます。このソフトの使い方から書きはじめるときりがないので、基本的な使い方は割愛して、要点だけを書き連ねます。

1) 日本語化する

ここでの「日本語化」とは、メニューなどの操作周りを日本語表示にするのではなく、基板データを作成する際のシルク印刷などに日本語を利用できるようにすることです。

そもそも PCBE でシルクを作成しようとして全角文字を入力すると、すべて無視されて空白が表示されてしまいます。これを以下の手順でフォントデータを作成してやることで、漢字や記号などの全角文字も利用できるようになります。

  1. KST32B_to_PCBE をダウンロードする。このソフトウェアは、PCBE の作者が補助プログラムとして公開されているもので、

    KST32B_to_PCBE.exe は 坂 直純さん作のストロークフォント KST32Bを PCBE のフォントに変換するプログラムです。
    変換されたフォントファイル PCBEFONT.DATは KST32B.TXTと同じフォルダーに作成します。
    変換された PCBEFONT.DATを PCBE.EXEがある(PCBEをインストールした)フォルダーにコピーすることで使用出来ます。(PCBEFONT.DATを上書きする)

    という感じで利用します。

  2. KST32B をダウンロードする。

  3. 上記 2つのファイルを展開し、KST32B_to_PCBE.exe を使って PCBE 用のフォントファイル PCBEFONT.DAT を作成します。

  4. 作成した PCBEFONT.DAT は、PCBE がインストールされているフォルダの同名のファイルと置き換えます。

以上で、日本語化が終了です。上記の手順で日本語化したあと、作成したデータを日本語化していない PCBE で編集すると、PCBE が強制終了してしまうので注意しましょう。

2) ガーバーデータを作成する

PCBE で基板データが作成できたら、ガーバーデータを出力します。以下の手順で操作することで、作成した基板データがガーバーファイルとして書き出します。Fusion PCB に提出するための ZIP やガーバーファイルの仕様については、Fusion PCB Specification – Feedback & Ideas for seeed に書かれていますが、製造を依頼する業者ごとに出力するファイル名を変更するのは面倒なので、スクリプト(.cmd)を作成して ZIP ファイルにするまでを自動化しています。

信じてもらうしかないのですが、リネームや過去のファイルを削除しているだけで、他のフォルダのファイルに対して悪いことはしていません。十分に動作を確認していますが、このスクリプトファイルについての責任を わたし に問わないでください。

 

【パターンAがハンダ面】PCBE で出力されたガーバーデータを Fusion PCB 向けに ZIP ...

準備として、上記の内容をコピーして、新規にテキストファイルを作成し、適当な名前を付けて保存します。このとき拡張子は .cmd とし、ベースファイル名(拡張子の前)は半角文字としてください。

上記のスクリプトファイル(.cmd)を使用する際の注意点をいくつか...

  • 以前の PCBE は、パターンAを裏面(ハンダ面/Bottom)、パターンBを表面(部品面/Top)として扱っていました。その経緯もあって、オンラインで提供されているライブラリ群も古い扱いのものが多く、わたし自身もパターンAをハンダ面として扱っています。そのため、このスクリプトファイルもそのように動作します。新しいバージョンの PCBE を使用している人は注意してください!
  • スクリプトファイルのベースファイル名と同じ名前で ZIP ファイルを作成するので、全角文字を含めると、Fusion PCB に製造を依頼するときに、不都合が生じるかもしれません。
  • PCBE のデフォルトで設定されているガーバーファイル名だけでなく、仕事で利用している P板.com に製造を依頼する際のファイル名にも対応しています。
  • 出力されるガーバーファイルはいつも同じなので、PCBE のデータファイル(.pcb)は、その他のデータファイルと同じフォルダに入れるのではなく、更にフォルダを作成してその中に入れた方が問題が発生しないと思います。上記のスクリプトファイルもそれぞれのフォルダごとに作成しておけばいいでしょう。
  • くり返しになりますが... 上記のスクリプトファイルは、操作の自動化を目的に同じフォルダにある古いガーバーファイルや ZIP ファイルを確認することなく削除やリネームしてしまいます。誤って、想定していないファイルを削除しないためにも、PCBE のデータファイルごとにフォルダを作成することをおすすめします。

ここまでの準備が終わったら、実際の操作となります。

  1. まずは PCBE のメニューから「ファイル(F)」→「ガーバー出力」と選択します。以下のスクリーンショットはデフォルトのままの出力ファイル名になっているはずですが、念のために確認しておきます。
    「補助」と「基準」のレイヤーは出力しないので、チェックが外れていることを確認します。「拡張出力」にもチェックし、小数部は 3 としておきます。
    f:id:VEJ00675:20170613063802p:plain f:id:VEJ00675:20170613063812p:plain
  2. PCBE のメニューから「ファイル(F)」→「ホール出力」と選択します。
    「一ファイル出力」にもチェックを入れて、「出力」ボタンを押して保存します。 が、このファイルは Fusion PCB での製造には使用されません。
    f:id:VEJ00675:20170613073626p:plain

  3. 前項までのガーバーファイルが出力されているフォルダで、スクリプトファイルを実行します。Fusion PCB の命名則にあわせてリネームし、ZIP ファイルを作成します。

以上です。