Microsoftの教育者向け認定試験について
Microsoft が教育関係者向けの認定資格として、「Microsoft Innovative Educator ( MIE ) 認定資格 プログラム」を提供しています。
これは、Google も似たような認定資格を提供しているのと似たようなものです。
わたし自身、Microsoft の認定資格について詳しくなかったのですが、自身で「Microsoft Certified Educator」を受験したこともあって、少しわかったことをまとめてみます。
認定資格は 5種類
Microsoft が用意している認定資格は、次の 5つです。「概要」とした説明文は、上記 URL のそれぞれの認定資格の説明文を抜粋・要約したものです。
Microsoft Innovative Educator【 マイクロソフト認定教員 】
- 概要
Microsoft Innovative Educator は、MIE と略され、ICT を活用し、自らが成長し、学びを共有する教育者たちのネットワークに参加するための第一ステップです。
まずは Microsoft Educator Center( MEC ) でトレーニングを受講し、Microsoft ツールの基礎や学校で使う方法について学んでください。 - 要件
「Microsoft 教育センター」に登録し、2時間分のトレーニングコースかラーニングパスを受講しクイズに回答することで認定され、MIE バッジが取得できる。
→ 実質無料でいつでも取得可能!
Microsoft Innovative Educator Expert【 マイクロソフト認定教育イノベーター 】
- 概要
Microsoft Innovative Educator Expert は、MIEE と略され、教室で Microsoft ツールを積極的に活用し、新しい学びを実践している教育者を対象に、1 年に一度募集されている。募集期間中に自己推薦フォームを提出し、マイクロソフトから認定通知が届いた教育者が参加できる。 - 要件
既に募集が終了している「2021-2022 年度プログラム」では、下記の条件を満たすICT活用を実践している教育者が対象となっていました。
・Microsoft Innovative Educator バッジを取得済みであること
・ICT を授業だけでなく、学校生活の様々な場面で活用していること
・上記の活動に関する自身の実践情報がインターネット上で公開されていること、または、他の教育者へ情報発信、実践共有をしていること
→ 5~7月に行われている応募期間に申し込み、認定されたら 9月から翌年 8月までの認定期間となる。いつでも申請できるものではない。
Microsoft Innovative Educator Fellow【 MIE フェロー 】
- 概要
マイクロソフト認定教育イノベーター ( MIEE ) の中でも特に、主体的に Microsoft ツールを教室で活用する方法を世の中に発信し、影響力が大きく活躍されている教育者が認定される。2020 年 9 月現在、日本で 6 名が認定されている。 - 要件
日本や世界の MIEE コミュニティに積極的に参加し、マイクロソフトの教育ツールを世の中にひろめる活動をされている マイクロソフト認定教育イノベーター( MIEE )の中から、マイクロソフトが認定する。
→ MIEE になって、積極的に活動、情報発信して、Microsoft 側に認知されなければならない。
Microsoft Innovative Educator Trainer【 マイクロソフト認定トレーナー 】
- 概要
テクノロジーの効果的な活用方法を教育者や学校のリーダーに向けてトレーニングしたい教育者、教育委員会の講師、ICT 支援員、専門の能力開発のスペシャリスト、またはパートナーに向けた認定資格。 - 要件
・「Microsoft 教育センター」の「MIE Trainer learning path」をすべて受講。 ※現時点で、対象のラーニングパスは日本語で提供されていない
・ LinkedIn グループに参加します。
・毎年 7 月 1 日から翌年 6 月 30 日までの間に 100 人の教育者のトレーニングを実施しレポートする。
→ 授業する先生向けというよりも、その先生を指導する人向けのもの。
Microsoft Certified Educator 【 MCE 】
- 概要
マイクロソフト認定エデュケーター ( MCE ) 認定は、児童・生徒・学生に個別最適化された学習体験を提供するために必要な、グローバル な教育者の IT リテラシーに関するスキルを身に付けている教育者であることを証明する認定資格。
マイクロソフトから提供されている包括的なラーニングパスの 21CLD は、本試験に対するトレーニングに役立つ。
2021年 5月からはじまった、はじまって間もない認定資格。 - 要件
・詳細は、詳しくは「マイクロソフトの認定資格ページ」を参照。
・受験は有料。Microsoft 経由で受験すると 14,040円だが、オデッセイで受験すると 13,200円(学割もあり)となる。
→ 簡単に取得できる MIE を、しっかりと認定する感じ。
まとめ、感じたこと
これらの 5つの認定資格について感じたことを、ざくっとまとめてみます。
- Microsoft も Google も認定資格を用意することで、スキルを証明しようとしている。
- 基本は MIE と略されている「マイクロソフト認定教員」を取得するところからはじまるが、無料で 2時間程度のオンライン学習で取得できるのは手軽。
- MIE を「マイクロソフト認定教員」と称したことで、2021年 5月からはじまった Microsoft Certified Educator の日本語表記が「マイクロソフト認定エデュケーター」となり、迷走している感じがしないでもない...
- MIEE は、Google 認定イノベーターのようなものなのだろう。
- MIE → MCE という流れなのだろうが、MIE のハードルの低さ、Google の同種の認定資格の受験料と比較すると、MCE の受験料は高価に思えてならない。
- MCE の取得のために学習する「教員向け『21世紀の学習活動デザイン』(全 8コース)」の 21CLD の内容は、Microsoft 色があまり強くなく、これからの授業デザインについて考えさせられるものだった。