ともかつの日記

仕事や日常で扱った事柄について書き残していきます。「…日記」とタイトルにあるものの、日々更新ししていませんがご容赦ください。

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ATEM Mini を使ってみた雑感

コロナウイルスの影響によって、Web会議が盛んに行われるようになったことで注目された「ATEM Mini」を職場で購入してもらった。

この「ATEM Mini」を利用する目的としては、

  • スイッチャーとして利用することで、複数の映像ソースを切り替えられる。
  • 切り替えた映像を、Web会議にも利用できる。
  • Web会議を利用した講演で、講師・話者が画面共有を意識しない環境が構築できる。 ※代わりに、スイッチャーを操作する人が必要になるが。

といったことが考えられます。この「ATEM Mini」を少しの間使ってみて、気付いたことを書き連ねておきます。

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ちなみに、今回動作検証したのは「ATEM Mini」シリーズの中でも一番安価な無印の「ATEM Mini」であり、上位モデルの「… Pro」「… Pro ISO」「… Extreme」「… Extreme ISO」ではありません。

HDMI OUT」にはクセがある

 ATEM Mini には、出力端子として「HDMI OUT」と「WEBCAM OUT」が備えられています。ATEM Mini を「WEBCAM OUT」でパソコンと接続すると、ATEM Mini の出力が Web カメラのように認識されるので、Web会議用の入力として使えます。この動作はいいのですが、「HDMI OUT」からの出力が接続される機器やケーブルによって表示されない現象が発生するのです。

 この点に一番悩まされました。この点については、以下の記事でナカニシ ミツヒコさんも書いておられました。

monotolife.com

わたしが確認したところでは、

  • × HDMI → DVIーD の変換ケーブル経由で接続したパソコン用モニター
  • × HDMI → RGM の変換器経由で接続したパソコン用モニター
  • × プロジェクター(EPSON EB-2265U)
  •  プロジェクター(Panasonic PT-VW435N)
  •  HDMI ケーブルで HDMI 接続したパソコン用モニター
  •  HDMI ケーブルで HDMI 接続した 60型大型モニター

といった感じで、接続方法にクセがあるように感じられました。

この現象は、パソコンにインストールするコントロールソフトウェアを用いて、「HDMI OUT」からの出力を「Program」ではなく「Camera 1 Direct」に変更すると問題なく表示されるので、何かしらの ATEM Mini 内の問題なのだと思います。

Web会議でリモート先に送出する映像と同じものを、主会場でもプロジェクターで表示しようとしたときに、「HDMI OUT」にクセがあるのは考え物です。

信号が減衰しているのかとも考えて、電源が供給されている HDMI 分配器などを使ってみたりもしましたが、状況は改善しなかったので、実際に接続してみるしかない感じです。

Web会議に使うときには解像度に注意

ATEM Mini からの「WEBCAM OUT」の出力は、入力されるソースの解像度にもよりますが、1080p といったフル HD な解像度で出力されます。確かに、Zoom や Google  Meet を使用したときに、自身の画像はとてもきれいに表示されます。

しかしながら、パソコンに Web カメラとして認識され、高解像度でパソコンに入力されていたとしても、Web 会議の相手にも高解像で送出されるとは限らない。

Zoom であれば自身の映像として利用する映像は顔のサムネイル画像くらいにしか使わないものと考えられているようで、「統計情報」で確認すると 360p や 180p くらいでしか送出されていません。こんな解像度でしか送出されていないと、ATEM Mini で切り替えや合成した映像を用意しても仕方がありません。

下記 URL の記事でわかったのですが、Zoom では ATEM Mini の出力を自画像を移すカメラとして指定するのではなく、「画面共有」→「第2カメラのコンテンツ」と指定することで、入力された解像度に応じて送出されるようになります。

panda-times.com

Google  Meet にはこのような画面共有の指定がないので、以下のような方法で対応するしかありません。

  • ATEM Mini からの入力を表示させたウィンドウを画面共有する。 ※この方法では、音声は一緒に共有されない
  • 「設定」→「動画」で送出する解像度を 720p まで上げる。

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この辺りをみていると、単体のソフトウェアとして成り立っている Zoom の機能性を感じますね。ただ、高解像で送出できるということは、それだけ必要な帯域(通信速度)も必要になってしまうことは注意してください。

最新のファームウェアが良いとは限らない

上の 2点について調べている過程で、「WEBCAM OUT」で得られた画像が時折ちらついているように感じられました。いろいろと ATEM Mini の設定を調べたり、使用するケーブルなどを確認したりもしましたが、結論としてはファームウェアのダウングレードで解決しました。

ちょうど、下記 URL の記事に書かれている内容と同じような症状でした。

blogs.itmedia.co.jp

ATEM Mini が納品されたタイミングで、どのバージョンのファームウェアだったかは確認できませんが、最新のコントロールソフトウェア(Ver.8.6.3)をダウンロードしたことで、ファームウェアもそれに対応した最新のものにアップデートされました。

上記 URL の記事を見て、試しに旧バージョンの Ver.8.5.3 にダウングレードしたところ、ちらつく現象が発生しなくなりました。

最後に...

いろいろと使ってみた結果、上述した 3点に注意しなければならないものの、ATEM Mini の機能性は十分なように感じられました。

コントロールソフトウェアがあれば、より細かな操作が行えたりするものの、PinP に使用するソースは「HDMI 1」に接続するように注意さえすれば、必要なものではないように感じました。

リアルな解像度でスムーズに送出できないことで、Google Meet との相性はあまりよくないように感じられるものの、Zoom や YouTube ライブなど、行事などのオンライン配信をグレードアップするためには便利な機器だと思います。